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2012年4月29日日曜日

「は」と「が」の違い(ちがい)

先日(せんじつ)、聞かれた(きかれた)質問(しつもん)。

みんなの日本語(にほんご)第10課(だいじゅっか)の文型(ぶんけい)にでてくる、

1.あそこに佐藤(さとう)さんがいます。
2.机(つくえ)の上(うえ)に写真(しゃしん)があります。
3.家族(かぞく)はニューヨークにいます。
4.東京(とうきょう)ディズニーランドは千葉県(ちばけん)にあります。

の中(なか)での、助詞(じょし)「は」と「が」のちがいは何(なに)か。

私たちは普通(ふつう)、旧情報(きゅうじょうほう)の「は」、新情報(しんじょうほう)の「が」というふうに覚える(おぼえる)。

つまり「は」はその前(まえ)に何かの情報がある場合(ばあい)に使い(つかい)、何か新しい(あたらしい)情報をいうときには「が」を使う。

例えば、
1の「あそこに佐藤さんがいます。」といきなり言っても、OKだが、3の「家族はニューヨークにいます。」といきなりいうと、ちょっとびっくり。

3の場合は、それまで家族のことを話して(はなして)いて、そして「今(いま)はニューヨークにいる。」という流れ(ながれ)で使うのが自然(しぜん)だと思う。

4も同じ(おなじ)。それまでディズニーランドのことを話していたか、他の遊園地(ゆうえんち)について話していたかわからないが、4をいう前(まえ)に、何かそれに関係(かんけい)していることを話していたのが、自然だろう。

さらに、「は」は「強調(きょうちょう)」の意味で使うことも多い(おおい)ので、気(き)をつけなくてはいけない。

例えば、
3では、上(うえ)にあげた違い(ちがい)もあるが、「私はロサンゼルス住んで(すんで)いる。でも、家族はニューヨークにいる。」と強調する場合にも使うことができる。「あなたは帰り(かえり)たいかもしれないが、私はここにいる。」というように、「他の人は違うが、ある人はこうだ。」という場合に使う。

ただ、ここまで詳しい(くわしい)ことを10課レベルの生徒(せいと)に教える(おしえる)かどうかは迷う(まよう)ところ。

どちらにしても、生徒がこの「は」と「が」で混乱(こんらん)するのは間違え(まちがえ)ない。

「は」と「が」の参考(さんこう)サイト見つけました。↓
http://blog.livedoor.jp/eg_daw_jaw/archives/51628537.html
http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?stage=2&sn=19

2 件のコメント:

  1. はじめまして。私は言語の素人なのですが、「は」も「が」も基本的に次の3つの使われ方しかないと考えています。
    ①{サメ,クジラ,マグロ}の中でほ乳類はどれか?という質問に対する答え「クジラがほ乳類だ」は「クジラ」については「ほ乳類だ」ということを強く肯定し、その他のもの(「サメ」と「マグロ」)については否定的な主張と受け取れます。
     それに対して、同じ質問に対する答え「クジラはほ乳類だ」は「クジラ」については肯定しているけれど、その他のもの(「サメ」と「マグロ」)については肯定も否定的もしていないと受け取れます。
    「a」を含む集合が与えられている(または想定される)場合、「a」と「A」の結びつきが「a」以外よりも強いと主張したいときは「aがA」と言います。「a」と「A」の結びつきは肯定するが「a」以外については肯定も否定もしないときは「aはA」と言います。
    ②生まれて初めて動物園でキリンを見た子供が「うわー、首が長ーい!」といった場合、動物の「首」というものは必ずしも「長い」わけではないが、今見ている「首」については「長い」と主張いていると考えられます。
     それに対して、数学の定理「三角形の内角の和は180°である」は、どの「三角形の内角の和」も「180°である」という主張だと考えられます。
     どの「a」についても「A」と言えるわけではないが、この「a」については「A」と言えるという場合は「aがA」と言います。どの「a」についても「A」なのだと主張する場合は「aはA」と言います。
    ③薄曇りの日の地平線近くにある月を見て「うわー、月が赤いぞ!」と言った場合、「月」というものはいつも「赤い」わけではないが、この時は「赤い」と主張していると考えられます。
     それに対して「太陽は東から昇る」という命題は「太陽」がいつでも「東から昇る」という主張だと考えられます。
     いつの「a」についても「A」とは言えないのだが、この時は「A」と主張する場合は「aがA」と言います。いつの「a」についても「A」と主張する場合は「aはA」と言います。
     この説明方法を使っていただいて、その後でいくつかの練習問題を行っていただいたら正答率が上がるのではないでしょうか。そんなに甘くありませんかね・・・・

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    1. ご丁寧な説明をどうもありがとうございます。ぜひこれからの説明にも利用させてもらいます。私たち日本人は一々助詞を使う時に理由を考えたり、「だからこの場合はこちらの助詞をつかう」などと選んでから使っているわけではなく、感覚で使っているので(ほかの言語に関しても同じですが)、ルールを説明しても、使用頻度がすくない生徒にはなかなか定着しないのが本当のところです。かといって、助詞に限っての練習問題や会話をさせていても無理もありますし、せっかく日本語で話してくれているのに、しつこく間違えを直すと会話が中断してしまいかねません。難しいところです。逆に、こうしたところをクリアできれば、日本人も顔負けの日本語学習者になれるのかもしれませんね。

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