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2012年1月22日日曜日

きれいだった?きれいかった?

私は今、平日(へいじつ)領事館(りょうじかん)に勤めて(つとめて)いるが、この事務所(じむしょ)も職員(しょくいん)の3分の1(さんぶんのいち)は日系人(にっけいじん)。

ご両親(りょうしん)は日本人(にほんじん)といっても、ブラジルで育った(そだった)人たちなので、苦労(くろう)はあったと思う(おもう)が、それにしても本当(ほんとう)に日本語(にほんご)をよく知って(しって)いるので感心(かんしん)する。

そんな中(なか)、前(まえ)から気(き)になっていた表現(ひょうげん)がある。

「きれいかった」

前(まえ)に私の生徒(せいと)にもそう使った(つかった)子がいた。最初(さいしょ)はただ文法的(ぶんぽうてき)にイ形容詞(けいようし)とナ形容詞を間違えて(まちがえて)使っているのかと思っていたが、ふと長崎(ながさき)出身(しゅっしん)の彼女(かのじょ)のおじいちゃんも使っているのをきいて、方言(ほうげん)かなと思ったこともあった。

それからしばらく忘れて(わすれて)いたが、領事館の同僚(どうりょう)で、やはり「きれいかった」と使う人がいるので、彼(かれ)にどこ出身(しゅっしん)かをきいてみた。彼のおじいちゃんも長崎出身らしい。もしかしたらと思うが、他(ほか)に長崎出身の知り合い(しりあい)がいないので、これ以上(いじょう)確認(かくにん)ができない。

生徒の日本語をなおすとき、どのように指導(しどう)していけばいいのか少し(すこし)考える(かんがえる)ことがある。

「きれいかった」は標準語(ひょうじゅんご)とよばれるものから見れば(みれば)、間違い(まちがい)になるが、家庭(かてい)の中(なか)でずっと使われてきたことばであれば、それを100%否定(ひてい)するのはどうかとも思う。

こんな時は、もちろん標準語(ひょうじゅんご)ではこういうふうに変化(へんか)するので、「きれいだった」と覚える(おぼえる)よう生徒に指導するが、できるだけ、生徒に「自分(じぶん)は間違った日本語を使ってきた。」などのショックを与えない(あたえない)ように心(こころ)がけるようにしている。

それにしても、小さい(ちいさい)日本といえども色々な(いろいろな)表現(ひょうげん)があること、また、それを知らない(しらない)自分(じぶん)にビックリする。

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