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2013年6月21日金曜日

ブラジルでの大規模(だいきぼ)デモ

今、ブラジルは大きく動きだした。今月、2日にサンパウロでデモが始まった。もともと、このデモはバスの料金の値下げを要請するものだったが、次々とほかの都市にも広まり、今では90もの都市で大規模なデモが行われている。このデモは何を目的にしているかというと、

まず第一にバス料金の値下げ。これはただ「料金が高いから」というわけではない。先日、連邦政府は、公共交通機関にかかる税金を免税にした。これによって、国民はみなバスなどの料金が当然下がるものと思っていた。ところが、それにもかかわらず、サンパウロ市では2日に料金の値上げが行われた。それが今回の大規模デモの引き金となり、公共交通機関の質を良くする要求も加え、ほかの都市でもあっという間に広がった。

第二に、必要以上に多額の公金(ブラジルは世界の中でも非常に税金が高い国といえる)を使って、サッカー競技場を作り上げたことに対する抗議だった。そのあまりにも多額の経費の使用方法、余剰金の有無、行方を国民は連邦警察や検察に調査させるように求めるものだった。

第三の目的は、汚職をした時に検察が詳しく捜査ができないよう、議員に免責特権を与えた「PEC37」法案を撤廃要請すること。この法案が成立すれば、何人の政治家が汚職をしたあとも警察に捕まることなく逃れられるだろう。

第四は、政治家が汚職を行った場合に処罰する法令を作り、政治家が所有する特権を廃止するよう要請すること。

第五に、国内の教育機関、教育システムの向上。

さらに、医療システム、病院などの施設の改善すること。

ブラジルの公立の病院は診療も検査も治療も一切お金を払う必要がない。ブラジル人はもちろんのこと、旅行できた外国人が けがをしても、病気になっても、お金が一切かからない。その代わり、ベッドや医師の数も限られるので、緊急の場合でもすぐに対応してもらえない場合も少なくない。

マナウスには幸い、莫大な資金を投資して改修工事を行った大きな公立病院がある。そこは建物もきれいで、対応もよいほうだ。実際、日本人の旅行者も何人かお世話になったことがあり、アテンドもよく、レントゲンをとってもらったり、ギブスをつけてもらったり、薬をもらっても一切お金はかからなかった。しかし、同じ市内でも、少し離れた公立の病院では先ほど触れたようなケースも多い。

こ こマナウスでも、きのうからデモが始まった。ここでのデモは予定通りの大通りを訴えを書いたプレートなどをもって歩くだけの平和なものだったので、ニュー スでも「デモはこうあるべき」と伝えられた。でも、やはりここでも、残念なことに市役所付近でバスを燃やしたり、公共物を壊すような犯罪を犯す者も少なく なかった。

毎日報道されているデモは、日に日にエスカレートしているように思う。特にリオでの騒動は、デモを超えて、ゲリラ戦のよう。

せっかくコンフェデレーションカップが催されているというのに、人々を不安にさせるようなデモが行われているのは、本当に残念だと思う。いつかはこうして立ち上るべきだったことには納得できるが、人々を傷つけることなく実行してほしかった。

今まで税金を無駄遣いされても、文句は言うものの、何もしなかったブラジル人。ここまで団結し、立ち上ったブラジル人たちを見るのは、ここに住むようになって初めて。

何かが少しずつ変わってきたのかもしれない。国が良くなるためにそうあってほしい。

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